サラブレッドの走能力の遺伝の考え方(3)

(1)はじめに

(2)「走能力の遺伝には複数の遺伝子が関わる」

(3)「量的形質」
量的形質は、複数の遺伝子が係わっているため
環境の影響で、その形質の表れ方が変化する。

例えば

体重(複数の遺伝子に支配されている形質)が
その時の栄養状態によって変化することを考えれば理解できる。

すなわち、ある時点での表現型(体重)は
良きにつけ悪しきにつけ
その時点の遺伝と環境の和として表れる。

この量的形質の遺伝する強さは
優性・劣性ではなく
遺伝率(ヘリタビリティ)という値で表す。

2017/05/23 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

サラブレッドの走能力の遺伝の考え方(2)

(1)はじめに

(2)「走能力の遺伝には複数の遺伝子が関わる」

親から子に伝わる形質には
1つの遺伝子で決まるものと

複数の遺伝子できまるものとがあります。

1つの遺伝子で決まるものには
血液型や馬の毛色などがあり

これらは一生変わることがなく
その遺伝の仕方は

優性・劣性の考え方で知られています。

一方複数の遺伝子の影響をうけるものは
量的形質ともいわれ

量的に数字で表すことができるものが多く
サラブレッドの走能力や体格(体重、体高など)や

家畜の乳量・肉質などがあります。

2017/04/05 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

サラブレッドの走能力の遺伝の考え方(1)

(1)はじめに

サラブレッドの走能力がどのように親から仔に伝わる(遺伝する)のかについて

育種(統計遺伝)の考え方を数回に分けて紹介します。

予定項目です

(2)「走能力の遺伝には複数の遺伝子が関わる」

(3)「量的形質」

(4)「サラブレッドの遺伝と環境」

(5)「走能力の遺伝の考え方」

(6)「サラブレッドの能力は何で表す?」

(7)「競馬予想では指標に何を使っているか?」

(8)「芝とダートの違い」

(9)「何を分析するか」

2017/03/06 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

春の天皇賞:競馬の短距離・長距離

春の天皇賞は
平地競走では3番目に長い距離3,200メートルのレースです

人の陸上競技では、100mからマラソンの42.195kmまでありますが
JRA芝の平地競走では、最短距離は1,000m、最長距離は3,600mです

人のように極端に距離が違うと、短距離か長距離か明白に判別できますが
競馬の3,200メートルは、どちらなのでしょうか?

その答えを得るためのひとつの方法として
「走速度と走行時間」の関係からみることができます

人では、2分33秒のところに走速度と走行時間の関係が変化する所(変曲点)があり
無酸素運動(短距離走)と有酸素運動(長距離走)との境目とみられています

競馬も同様に走速度と走行時間の関係から見てみると
変曲点は、人と同じ2分35秒(競馬では約2,500mに該当)のところに確認でき
競走馬にとっても、この2,500mが短距離と長距離の境のようです

日本で行われている競馬の98%は2,500m以下であることから
日本の競馬のほとんどは
人の陸上競技における短距離から中距離に相当していると考えられます

2016/04/29 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

サラブレッドの能力は何で表す?

サラブレッドの走能力を表す時に、重要なことは
走能力の指標を何にするかということです。

日本で取得できる走能力の指標としては
タイム
着順
着差
収得賞金(アーニング)
アーニング・インデックス
フリーハンデ
レーティング
などがあります。

外国では
パフォーマンス・レイト
タイムフォーム・レイト
などがあります。

Parlodel

2012/08/08 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

サラブレッドの遺伝と環境

サラブレッドが両親から受け継いだ走能力を十分発揮するためには、
日常の調教や飼養管理などの環境を良くすることが重要である。

遺伝的に優秀な走能力をいくら受け継いだとしても
環境が劣悪になれば、宝の持ち腐れとなる。

馬券の検討材料として把握できることは限定されるが
調教や飼養管理の状態は、
追い切りタイムや馬体重の変化でとらえられので、
競馬予想の情報だけでなく、
これらの情報もチェックをする必要がある。

飼養管理については把握できない部分も多いが、
馬体重の増減を利用することも一つの方法である。

参考に
「競馬用語」の馬体重
「博士のブログ」の走能力と馬体重も見てください

2012/03/29 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

量的形質

量的形質は、複数の遺伝子が係わっているため
環境の影響で、その形質の表れ方が変化する。
例えば、
体重(複数の遺伝子に支配されている形質)が、
その時の栄養状態によって変化することを考えれば理解できる。

すなわち、ある時点での表現型(体重)は、
良きにつけ悪しきにつけ、その時点の遺伝と環境の和として表れる。

この量的形質の遺伝する強さは、
優性・劣性ではなく
遺伝率(ヘリタビリティ)という値で表す。

2012/01/25 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

走能力は複数の遺伝子

親から子に伝わる形質には、
1つの遺伝子で決まるものと
複数の遺伝子で決まるものとがあります。

1つの遺伝子で決定されるものには、
血液型や馬の毛色などがあり、これらは一生変わることがなく
その遺伝の遺伝の仕方は優性・劣性の考え方で知られています。

複数の遺伝子の影響をうけるものは、
量的形質ともいわれ、数字で量的に表され、
競走馬の走能力や体格(体重、体高など)や
家畜の経済形質(乳量、肉質など)があり、
環境の影響を受けやすい。

サラブレッドの走能力の遺伝を分析するには、
複数の遺伝子を考慮した統計遺伝の手法をとる必要があります。
例えば、この複数の遺伝子の考え方から
「何故、同じ兄弟姉妹の間で、能力や体格の違いがあるのか?」なども説明できます。

2012/01/12 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

サラブレッドのたわごと(宇田一)

私は、高等学校在学中、菊池・芥川・久米・倉田らの諸君と同時代を過ごしたことを幸せと思っている。理科系に学んだ自分のかたくなな心をやわらげ、馬車馬のような目隠しをはずして視野を広げてくれたのは、これら文系の諸君のおかげである。とくに、久米とは同郷という関係もあって、とくに親しく交わった。後年、彼の作品中の作中人物の中に自分を見出して、彼のいわゆる微苦笑を漏らした思出もある。しかし、これらなつかしい諸君は、みな文豪の名を残して、すでにこの世を去り、淋しい極みである。

ところが、十年ほど前からサラブレッドの研究を始めているが、馬名に、大文豪・大芸術家あるいは英雄などの名を冠したものが非常に多いのに興味を覚え始めた。

最も古い馬でシェークスピアがある。これは、サラブレッドの草創期の馬で、一七四五年の出生である。その後、再び一九五一年に、名馬シェークスピアがあらわれている。

(中略)

一五世紀のボッティチェリに始まり、一六世紀のミケランジェロ、ラファイエル、一七世紀ではブウサン、一八世紀ではゲーンズボローやゴヤ、一九世紀ではミレー、ドガ、コロー、トゥールーズ・ロートレックなど、各世紀の代表的大画伯がそれである。

(中略)

それはそれとして、これら大画伯の名号をもった優駿がどうして生産されたか。これが私の研究の対象である。

さて、優秀な素質を持ったいわゆる純系を維持するためには、近親交配が望ましいのだが、近親交配の継続は、ややもすると、活力の低下をきたして、競走能力が劣る結果を生じやすい。競走能力の秀でたものを求めるためには、いわゆる雑種強勢力を利用する異系交配が効果がある。しかし、これは一代雑種などという語もあるように一代限りである。そこで、競走能力も卓越し、同時に、種牡馬あるいは繁殖牝馬として優秀なものを生産するにはどうしたらよいか。これが、私の展開した「配合理論」である。これは、簡単にいえば、近親交配によったものと、異系交配によったものとを組み合わせる生産方式である。私は、これを基準交配と呼んでいる。そして、この基準交配を継続することによって、始めて優秀なサラブレッドを計画的に生産することができるというのが、私の主張である。

従来、サラブレッド界には、交配に”配合の妙を得た”とか、”合性”という意味に”ニック”という語が用いられている。私は、この”ニック”を交配形式の研究によって、科学的に、また、実証的に研究を続けているのである。

たとえば、大画伯の名号をもったゲーンズボローは、イギリスでも珍しい三冠馬の栄冠を担った名馬であるが、これは基準交配によって生産されたものである。さらに、これにやはり基準交配によって生産された牝馬シリーニが配されてハイペリオンが生産され、これは父馬の跡を継いでダービーを制覇した。さらに基準交配を継続して、孫には四頭のダービー馬が輩出しているのである。

私は、配合理論を駆使して、わが国において、世界に誇る名馬を生産したいと考えている。そして、将来、我が国の画伯なり文豪の名号をもった、ウタマロ、ホクサイ、タイカン、キクチカンなどの優駿の出現を期待している。

菊池寛は、学生時代から将棋は好きであったが、後年の彼の道楽は競馬であったようだ。彼は、雑誌「優駿」の創刊号の巻頭に、”競馬近ごろ”という一文を寄せている。そして、馬主として、抽せん馬制度についての彼の所感を述べている。不運にして、彼の持馬の中からは、あまり優れたものはでなかった。彼が好んで筆にした「無事之名馬」は、彼の負惜しみのあらわれであろう。彼は、ダービーを夢みていたにちがいないと思う。配合理論を語りあう日を待たずに、彼が早く世を去ったのは遺憾至極である。

文藝春秋 昭和48年6月号より抜粋

2011/12/09 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする

配合理論(交配理論)

優秀なサラブレッドを生産するために、
古くから独自の理論をはじめ、
遺伝学の基礎的な考え方を踏まえた配合理論も発表されている。

しかし、現代の育種学の考え方を踏まえたは理論は数少ないが、
その代表的なものは

フィッツラックの18.75%理論
ブルース・ロウのフィガーシステム
ゴルトンの法則
ヴュイエのドサージュ理論
リーウェリンの平衡生産方式
宇田博士の配合理論

などがある。

2011/09/29 カテゴリー: サラブレッド血統の科学 | コメントする